ワイモバイルの割引として真っ先に出てくるのがおうち割光セット(A)です。月1,650円引きと書かれていることが多く、数字だけ見ると相当大きく感じます。
ただ、この割引には適用条件として月550円のオプション加入があります。そして比較記事の多くは、この550円を引き算に入れていません。
入れて計算すると、結論はこうなります。
- 1回線・2回線なら ahamo のほうが安い
- 3回線目から、ワイモバイルが逆転する
一人暮らしで「おうち割があるからワイモバイル」と決めるのは、この計算だと損です。理由を順に説明します。
ソフトバンク光の料金と条件を見る※おうち割光セット(A)の対象・割引額・必須オプションの条件は改定されることがあります。申し込み前に公式サイトでご確認ください。
おうち割光セット(A)で引かれる金額
まず割引そのものの中身です。2026年8月時点の条件は次のとおりです。
注目すべきは1回線目から引かれるところです。ワイモバイルにはもう1つ家族割引サービスがありますが、そちらは2回線目以降しか対象になりません。一人暮らしで使える割引は、実質おうち割だけです。
なお、おうち割光セットと家族割引サービスは重複して適用されません。どちらか一方です。
見落とされるのは、必須オプションの550円
ここが本題です。
おうち割光セットを適用するには、ソフトバンク光側で指定のオプションパックに加入する必要があります。中身は光BBユニットのレンタル・Wi-Fiマルチパック・固定電話の3点で、まとめて月550円です。個別に契約すると1,600円ほどになるので、パックとしては割安ではあります。
ただし、使うかどうかに関係なく、割引を受けている間はこの550円を払い続けます。固定電話を引く予定がなくても外せません。そしてこのオプションを解約すると、スマホ側の割引も同時に消えます。
つまり実際の効果は「1,650円引き」ではなく、世帯全体で見ると1,650円 × 回線数 − 550円です。回線が少ないほど、550円の重みが大きくなります。
回線数ごとに計算するとこうなる
ワイモバイルのシンプル3 M(月4,378円)と、ahamo(月2,970円)で並べます。どちらもデータ30GBです。オプションパックの550円は光回線1契約につき1つなので、世帯で1回だけ足します。
分岐点は3回線目です。2回線ではまだ ahamo がわずかに安く、3回線で初めて逆転します。
逆転したあとは1回線増えるごとに差が広がるので、4人家族なら年間で5千円ほどワイモバイルが有利になります。一方で1人なら、年間3,700円ほど ahamo のほうが安いことになります。
同じ「おうち割で1,650円引き」でも、世帯の人数で結論がひっくり返るのはこのためです。
この計算が成り立つ前提
上の表には、ソフトバンク光そのものの月額が入っていません。すでに光回線を使っている、あるいはどのみち引く予定がある人の比較だからです。
もし今インターネット回線を引いていないなら、話はまったく変わります。ソフトバンク光は2026年8月時点でマンション4,180円・戸建て5,720円で、割引額(1,650円)よりも回線費用のほうがはるかに大きいからです。スマホを安くする目的だけで光回線を引くと、確実に赤字になります。
もう1点、ソフトバンク光は2026年12月1日から一律330円の値上げが予定されています。長期で見るなら、この分も織り込んで判断してください。
判断の順番はこうなります。
- 自宅に光回線が要るか(在宅勤務・動画・オンラインゲームなど)
- 要るなら、ソフトバンク光を選ぶ理由があるか
- そのうえで、スマホが何回線あるか
3番だけを見て決めないのが要点です。
通話定額を足すと分岐点はさらに動く
もう1つ、表に出ていない差があります。
ahamo は5分かけ放題が最初から含まれています。 ワイモバイルのシンプル3 M は通話料が別で、かけ放題を付けるとその分だけ月額が上がります。
仕事や家族への電話が多い世帯だと、ワイモバイル側に全回線ぶんの通話オプションが乗るので、逆転する回線数は3回線より後ろにずれます。逆に通話をほとんどしないなら、表のとおりの分岐点になります。
料金以外の違い(店舗サポート・データくりこし・回線の繋がりやすさ)はahamoとワイモバイルはどっちが安い?で並べています。この記事は、そのうち「割引が効くかどうか」の部分を掘り下げたものです。
光回線側を変えると、割引は効かない
最後に間違えやすい点です。
おうち割光セット(A)の対象はソフトバンク光とSoftBank Airだけです。auひかり・BIGLOBE光・フレッツ光など他の回線では、ワイモバイルの割引は適用されません。
他社の光回線にもスマホとのセット割はありますが、組み合わせる相手が違います。auひかりならauやUQモバイル、というように回線とキャリアが紐づいています。「セット割があるらしい」という理由だけで光回線を決めると、自分のスマホとは組み合わせられない、ということが起きます。
先に決めるのはスマホ側です。スマホの契約先が決まってから、それに対応する光回線を選ぶ順番だと間違えません。
ソフトバンク光の料金と条件を見る※おうち割光セット(A)の適用には申し込みが必要です。割引額・必須オプション・対象プランの条件は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- おうち割光セット(A)は月1,650円引きだが、月550円の必須オプションがセットで付く
- その550円を入れると、ワイモバイルが安くなるのは3回線目から
- 1人・2人なら ahamo のほうが安い
- ただし光回線をこれから引くなら、この計算は成り立たない
- 通話定額が要る世帯は、分岐点がさらに後ろにずれる
割引は自動では適用されず、申し込みが必要です。条件を満たしているのに引かれていないケースは実際にあるので、契約後に請求明細で確認してください。
固定費全体をどの順番で見直すかは固定費の見直しは何から始める?に、乗り換え前に確認する項目はスマホの通信費を見直す5つの確認点にまとめています。
なお、この記事の金額は2026年8月時点のものです。家電・サービス比較記事の正しい読み方にも書いたとおり、料金プランと割引条件は改定されるので、申し込み前には必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。